ドリルタップ: HiPIMSを通じての成長

FANAR社のCTOのDariusz Ptaszkiewicz(ダリウシュ・プタシュキヴィッツ)氏(左)とPVDプロセスエンジニアのArkadiusz Urbanowicz(アルカディウシュ・ウルバノヴィッツ)氏(左) (写真: FANAR)

FANAR社が、『CC800® HIPIMS』で、タップ製品群を拡張

ポーランドのチェハヌフに本社を置くFabryka Narzędzi FANAR S.A.は、安定した成長を続けています。 自社内でタップのコーティングを始めた際、最初の第一歩は、2年前にCemeConのスパッタコーティング加工ラインを導入したことでした。 同社は、『CC800® HiPIMS』でそれに続く施策を行おうとしています。 このシステムは、これまでの作業サイクルにかかる時間に比べて、大幅に短い時間で最高品質のTiCNコーティングを実現します。 現在の最新HiPIMS技術は、ポーランドのねじ切り工具メーカーの国際的な成長戦略を支えています。

「どのようにすれば、もっと早く成長できるだろうか? 我々に市場の競争のなかで優位性を与えてくれるものは何か? このゴールに到達するために、どのテクノロジーが我々の役に立つのだろうか?」 これらの問いが、FANAR社の社長であるMarcin Kołodziej(マルチン・コウォジェイ)氏を突き動かすモチベーションとなりました。 FANAR社は、2年前からドリルタップのコーティングのために、ComeConの『CC800®/9 ML』を使用しています。 「このスパッタコーティングシステムは、私たちに決定的な 優位性をもたらしてくれました。 CemeConのサポートを受けて、弊社は研磨から加熱処理や開先加工、コーティングに至るまで、作業の一連のプロセス全体を管理できるようになりました。 より優れた製品をより速くユーザーのもとに届けること。 それこそが、FANARの存在意義なのです。」

CC800® HiPIMSは、ドリルタップのパフォーマンスを大きく向上させ、我々のビジネスの成長を可能にしました

HiPIMSコーティング – ねじ切り工具の完璧な加工

増え続ける需要に応えるために、FANARは『CC800® HiPIMS』にさらに投資を行い、製造のアップグレードを図るためCemeConのコーティングシステムの2台目を導入しました。「ねじ切り工具のコーティングには、とても特殊な特徴があります。」と、Biljana Mesic(ビリヤナ・メシッチ)博士は説明します。メシッチ博士は、CemeConによるFANAR社のための専用コーティング開発を統括しています。「削りくずがタップの刃にこびりついてしまうと、通常パフォーマンスの低下に繋がります。なめらかで、分厚いコーティングが不可欠なのです。」それに加えて、ねじ切り加工を行う際に、切削を行うのは最初の2つ、3つのねじ山のみです。 これは、最大限のコーティングの粘着性と延性を備えていることが、重要な特性のなかでも最上位に来ることを意味しています。 「HiPIMS技術は、この作業にとって完璧な技術です。この技術により、優れた延性を備えていることから、極めてなめらかで分厚いコーティングが可能になり、タップのドリルから剥がれることもありません。非常に大きなイオン化によって、これまで備えていたプラスの特性に加えて、理想的なフィルムの粘着性も与えられるようになります。これにより、炭素を含むコーティングがしっかりと付着することを保証します。」と、Biljana Mesic氏は説明しています。

TiCNやWC/Cといったコーティングシステムは、ねじ下切り作業の間のトルクが低い場合や、ステンレス素材の削りくずが確実に除去できるようにするためには欠かせません。れにもかかわらず、これらのコーティングの工程は、切削工具製造にとって、弱点となる『アキレス腱』でもありました。というのも、これらの装置は、すでに数十年前から使われている旧式の蒸発装置の技術を使っていたからです。HiPIMSは、未来につながる道を指し示します。ハイパフォーマンスのTiCNコーティングをしっかりと行うための、最新技術を搭載した装置なのです。

FANAR社のCTOを務めるDariusz Ptaszkiewicz(ダリウシュ・プタシュキヴィッツ)氏は、次のように要点を説明してくれました。 「HiPIMS技術を導入したおかげで、標準的なTiCNから最新式のナノ構造 コーティングへの転換に成功することができました。この新型のコーティングでは、TiAlNやTiAlSiNを基層としています。これにより、タップの汎用性が広がり、さらに強い耐久性が備わるようになります。 HiPIMSコーティングは、弊社の「全ての素材に、ひとつの工具で対応する」という企業戦略を効率的に サポートしてくれます。 タップのマクロおよびミクロの形状のノウハウと専用HiPIMSコーティングとを 組み合わせる一方で、弊社はタップ製品の『Master』および『X』シリーズをリリースしました。この両者は、マーケットで大成功を収めています。」

成長のための前提条件

『CC800® HiPIMS』は、ドリルタップのパフォーマンスを著しく向上させるだけではなく、1時間あたり 2 µmという溶着速度でこれまでにない速さでコーティング作業を完了させます。 これにより、製造時間の短縮と最大限の効率性が保証されます。 

「HiPIMS技術は、専用コーティングソリューションの開発において、私たちに限界などないのではないかと思わせてくれるほどです。 この方法を用いることで、新素材の開発を進めながら成長していくことを目指していくことができます。」と、Marcin Kołodziej(マルチン・コウォジェイ)氏は、FANAR社の最新の投資について胸を張って話してくれました。

Fabryka Narzędzi FANAR S.A.

logo fanarFabryka Narzędzi FANAR S.A. 社は、金属の機械加工用工具の製造業界をリードする存在です。本社は、ポーランドのチェハヌフにあります。 最新のテクノロジー、しっかりとした技能を備えたスタッフ陣、そして長年にわたる経験を備えたFANAR社は、幅広い種類の最高品質の工具を市場に供給しています。 革新的なソリューションと継続的な発展は、FANAR社の企業理念の最優先事項です。 FANAR社の国際的な顧客のなかには、自動車産業、航空宇宙産業、医療技術やその他の産業の企業も含まれています。 FANAR社の工具は、40か国以上で販売されています。

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